水質汚濁防止法環境基本法

「水質汚濁に係る環境基準についての一部を改正する件」及び「環境基本法に基づく環境基準の水域類型の指定及び水質汚濁防止法に基づく常時監視等の処理基準」の施行上の留意事項について<令和7年2月14日>

環水大管発第2502145号令和7年2月14日都道府県知事殿水質汚濁防止法政令市長殿環境省水・大気環境局環境管理課長(公印省略)「水質汚濁に係る環境基準についての一部を改正する件」及び「環境基本法に基づく環境基準の水域類型の指定及び水質汚濁防止法に基づく常時監視等の処理基準」の施行上の留意事項について環境基本法(平成5年法律第91号)第16条に基づく環境基準のうち、水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準は、「水質汚濁に係る環境基準について」(昭和46年12月環境庁告示第59号。以下「告示」という。)により、河川、湖沼及び海域ごとに利用目的に応じた水域類型を設けることとしており、それぞれ環境基準値を定めている。これに関し、令和7年2月14日に「水質汚濁に係る環境基準についての一部を改正する件」(令和7年2月環境省告示第5号)を公布した。また、「環境基本法に基づく環境基準の水域類型の指定及び水質汚濁防止法に基づく常時監視等の処理基準」(平成13年5月31日付け環水企第92号)(以下「事務処理基準」という。)についても、令和7年2月14日付け環水大管発第2502142号にて改正し通知した。貴職におかれては、以下に示す施行上の留意事項を踏まえ、有効かつ適切な施策の推進を図られるようお願いする。なお、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的な助言であることを申し添える。記1.今回の見直しに関する基本的考え方【別添1】今回の改正は、地域の水環境保全に関する課題が多様化する中で、地域のニーズや実情、科学的知見等に応じて、地域関係者と協議をした上で、柔軟に環境基準の水域類型の指定及び適時適切な見直しを行うことを可能とするためのものである。2.「水浴」の示す範囲【別添2】「水浴」とは、水の経口摂取の可能性が高い活動として、水に触れる活動を幅広くいう。3.CODの環境基準の達成評価を行わない判断の具体的フロー【別添3】①水域類型が該当する、②流入負荷が削減されているが、環境基準が未達成、③有機汚濁を主因とした利用障害が生じていないといった条件をすべて満たす場合に、CODの環境基準の達成評価を行わないとすることができる。達成評価を行わない判断の具体的フロー及び具体的な水域での考え方の例を示す。4.CODの環境基準の達成評価を行わないことと排水規制の関係【別添4】今回の改正は、水域のCODが流入負荷以外の要因によるところが大きく、水域の有機汚濁の状態を表す指標としてはCODが適切に機能しない場合に、CODの環境基準の達成評価を行わないことを可能とするものである。良好な水質の確保のため、工場・事業場からのCODの排水規制や総量削減制度は引き続き当然に必要であり、CODの排水基準や総量規制基準に影響するものではない。【問合せ先】環境省水・大気環境局環境管理課今回の見直しに関する基本的考え方別添1今回の見直しは、地域の水環境保全に関する課題が多様化する中で、既存の制度では課題がある水域において、地域のニーズや実情に応じて環境基準の柔軟な運用を可能とするためのものです。(よくある質問)「地域関係者との協議」とはどのようなスキームを想定しているのか。各水域の管理者との関係や位置づけを明確にしてもらいたい。CODの達成評価を要しない「利水上の支障」とはどの程度のものを想定しているか。制度の見直し①適切な水質管理のための適時適切な類型の見直し②「利用目的の適応性」に係る水浴の見直し③季別の類型指定④CODの達成評価地域の実情・水質の状況など地域のニーズ・水域の利用目的など今後の類型指定の見直しに当たっては、「水質汚濁の状況や利用目的の実態、科学的知見等に応じて、地域関係者と協議をした上で、柔軟に水域類型の指定及び適時適切な見直しを行うこと。」地域のニーズや実情に応じた柔軟な運用の実現(よくある質問①)・水域類型を見直す際の判断基準、具体的な指針、ガイドライン等を示してほしい。(解説)・柔軟な運用を可能とするための制度改正であり、地域に応じて状況が異なることを念頭に置いている。このため、一律の判断基準は設けないが、具体的な事例などの情報を随時提供していく。・今回の改正は、全ての水域で既存の水域類型を変更するように求めるものではなく、あくまでも既存の制度では課題がある水域に対し柔軟な対応を可能とすることを目的とするものである。・各都道府県市においては、今回の改正趣旨を踏まえ、各地域の状況に応じて柔軟な運用を検討いただきたい。今回の見直しに関する基本的考え方(補足)(よくある質問②)「地域関係者との協議」は必要なのか。どのようなスキームを想定しているのか。(解説)・利用目的に応じて水域の類型指定は設定されることから、利用目的に応じた地域関係者との協議が重要と考える。・「地域関係者との協議」のスキームについて、具体的な手法は一律に決めることは適当ではなく、各都道府県市の実情に応じて可能な手段で対応することとなる。(例えば、環境審議会でのヒアリング等が想定される。また、新たに水域類型を指定する際と同様のスキームで協議することも考えられる。)「水浴」の示す範囲別添2・告示備考の「水浴」とは、水の経口摂取の可能性が高い活動として、水との触れ合い、水域でのスポーツ、レクリエーションなど水に触れる利用を幅広くいう。【事務処理基準第1の1(5)1)】・水と接触する機会をもつレクリエーションとして、水泳、入浴、サーフィン、水上スキー、素潜り、子どもによる水遊びなど、水との身体的接触が高い活動が含まれる。・ラフティング等の川下り、カヌー・カヤック・スワンボートなどの船上でのレクリエーションは、身体が水に浸ることが通常ではない場合、又は、大量の水飛沫を浴びることが通常ではない場合であれば、水の経口摂取の可能性が高い活動ではないと考えられ、「水浴」に該当しないと考える。・このため、河川敷のキャンプ場やBBQ場での活動は、「水浴」に該当しないと考える。CODの環境基準の達成評価を行わない判断の具体的フロー別添3・CODの環境基準の達成状況の年間評価の変更について、年間評価を行わなくてもよいと判断するための考え方のフロー(例)を以下に示す。考え方のフロー(例)公共用水域(湖沼・海域)No湖沼:AA~A類型、海域:A~B類型か?NoYes流入負荷が削減されているが環境基準が未達成の水域か?Yes有機汚濁を主因とした利水上の支障が生じていない水域か?現状通り評価YesCODの達成状況の年間評価は必ずしも行わなくてもよいCODの環境基準の達成評価を行わない判断の具体的フロー(例①)・CODの環境基準の達成状況の年間評価の変更について、具体的な水域(例として伊勢湾)で考えた際の判断根拠の資料例を示す。公共用水域(湖沼・海域)湖沼:AA~A類型、海域:A~B類型か?Yes流入負荷が削減されているが環境基準が未達成の水域か?Yes有機汚濁を主因とした利水上の支障が生じていない水域か?YesCODの達成状況の年間評価は必ずしも行わなくてもよい例)伊勢湾の場合海域:A類型である(①)流入負荷が削減されているが(②ー1)COD濃度はA類型未達成である(②ー2)有機汚濁を主因とした利水上の支障が生じていない水域である(③)CODの達成状況の年間評価は必ずしも行わなくてもよい①②-1307286272246221186158141131127S54S59H1H6H11H16H21H26R1R6)COD(目標)24.418.820.418818516816114312911811010610617.315.210.8S54S59H1H6H11H16H21H26R1R69.08.08.27.9S54S59H1H6H11H16H21H26R1R6(目標)伊勢湾のCOD類型指定海域の状況②-25.04.0表層COD(mg/L)3.02.0窒素伊勢湾における発生負荷量の推移(トン/日)A類型B類型C類型1.00.0審議会等で審議A類型環境基準値(2㎎/L)S56S57S58S59S60S61S62S63H1H2H3H4H5H6H7H8H9H10H11H12H13H14H15H16H17H18H19H20H21H22H23H24H25H26H27H28H29H30R1R2R3R4伊勢湾における類型指定海域別のCOD濃度の推移(目標)りん年間評価は行わないCODの環境基準の達成評価を行わない判断の具体的フロー(例②)③伊勢湾の赤潮による漁業被害状況(H15~R5)公共用水域(湖沼・海域)例)伊勢湾の場合年度H16被害発生場所伊勢湾東部(知多半島沿岸)生物種クロノリ被害内容赤潮による色落ち湖沼:AA~A類型、海域:A~B類型か?Yes海域:A類型である(①)流入負荷が削減されているが環境基準が未達成の水域か?Yes有機汚濁を主因とした利水上の支障が生じていない水域か?YesCODの達成状況の年間評価は必ずしも行わなくてもよい流入負荷が削減されているが(②ー1)COD濃度はA類型未達成である(②ー2)有機汚濁を主因とした利水上の支障が生じていない水域である(③)CODの達成状況の年間評価は必ずしも行わなくてもよいH17H19H19H26H29H30R4R4伊勢湾(南部)伊勢湾(北西部)伊勢湾中部伊勢湾(鈴鹿市~伊勢市)伊勢湾南部(パッチ状に点在)伊勢湾東部伊勢湾(伊勢市周辺および明和町以北)ノリクロノリクロノリクロノリ不明ノリへい死赤潮による色落ちハマグリ、スズキ、マダイ、クロダイ、ボラ、エイ伊勢湾北東部※被害金額は不明のため示していない。アカエイ、ツメタガイ、ガザミへい死出典:1.「三重県沿岸海域に発生した赤潮」(平成15年~令和5年、三重県水産研究所)より作成2.「令和元年伊勢湾・三河湾の赤潮・苦潮発生状況」(令和2年、愛知県水試研究業績)より作成⇒時期、場所とも散発的であり、継続的には発生していない状況である。審議会等で審議年間評価は行わない(補足)COD環境基準の達成評価を行わないことを可能としたことの考え方・今回の改正は、有機汚濁を主因とした利水障害が発生していないにも関わらず、CODの環境基準を達成していないためにより一層の負荷削減が求められる状況が、利水目的や地域のニーズとの乖離の問題を発生させる場合があるとの考えから、その対応を目的としている。・海域についてはA、B類型、湖沼においてはAA又はA類型で、当該水域の利用目的に対して、現に有機汚濁を主因とした利水上の支障が生じていない場合は、CODの達成評価を必ずしも行わなくても良いものとする。【参照:事務処理基準第2の1(3)2)①オ】・ここで言う利水上の支障は、有機汚濁を主因としたものであり、継続的に赤潮等によって被害が生じるような障害等を想定している。なお、ここでは栄養塩類の不足が要因と考えられる生産性の低下は、利水障害の定義に含まない。・また、現に利水上の支障が生じていない場合であっても、有機汚濁の濃度が再度増加するなど、有機汚濁を主因とした利水上の支障が再発する可能性に鑑み、水域の有機汚濁に関する常時監視(モニタリング)は継続して実施する必要がある。モニタリングの内容は、有機汚濁が再度進行し、支障が生じないことを把握する目的であることから、CODのほか、底層DO、TOC等の項目を採用することが想定される。CODの環境基準の達成評価を行わないことと排水規制の関係別添4・今回の改正は、水域のCODが流入負荷以外の要因によるところが大きく、水域の有機汚濁の状態を表す指標としてはCODが適切に機能しない場合に、CODの環境基準の達成評価を行わないことを可能とするものである。・CODの環境基準の達成評価を行わない場合でも、良好な水質の確保のため、工場・事業場からのCODの排水規制や総量削減制度は引き続き当然に必要であり、CODの排水基準や総量規制基準に影響するものではない。事業場COD水域環境基準点排水規制としてのCOD陸域負荷以外のCOD5.04.54.0環境基準(状態指標)としてのCOD現状でも有効当初はCOD負荷が削減されることにより、水域のCOD濃度が減少することを想定していたため、「環境基準を確保することを目途」に総量削減目標量が設定され、総量削減制度による水質規制が実施されてきた。(水質汚濁防止法第4条の2第2項)適切に評価できない東京湾伊勢湾瀬戸内海(大阪湾を除く)大阪湾現状実態COD(上層)(mg/L)3.53.02.52.01.51.00.50.00.00過去想定水域面積当たりのCOD負荷量(t/日/km)0現在は、水域によっては、CODが、内部生産、海底からの溶出、外洋からの流入など、陸域からの流入負荷以外の要因によるところが大きく、水域の有機汚濁の状態を評価する指標としては、特に低濃度の範囲では、CODが適切に機能していない場合や、CODの達成状況と利水障害との相関がなくなっている場合がある。今回の改正は、こうした場合にCODの環境基準の達成評価を行わないことを可能とするもの。一方、排水中の有機汚濁の指標としては、CODは引き続き有効。CODの環境基準の達成評価を行わない場合でも、良好な水質の確保のために、工場・事業場からのCODの排水規制や総量削減制度は引き続き当然に必要であり、CODの排水基準や総量規制基準に影響するものではない。

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