廃棄物の処理及び清掃に関する法律

新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種に伴い排出される廃棄物の処理について(通知)<令和3年4月2日>

環循適発第2104021号環循規発第2104021号令和3年4月2日都道府県・政令市廃棄物行政主管部(局)長殿環境省環境再生・資源循環局廃棄物適正処理推進課長廃棄物規制課長(公印省略)新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種に伴い排出される廃棄物の処理について(通知)廃棄物行政の推進については、かねてより格別の御尽力を頂き御礼申し上げる。さて、新型コロナウイルス感染症に係るワクチン(以下単に「ワクチン」という。)については、当該感染症のまん延予防のため、全国的な接種を実施していくこととされているところである。接種の実施に当たっての役割分担としては、市町村が医療機関等との委託契約、医療機関以外の接種会場の確保及び運営、高齢者施設の入所者等への接種体制の構築等を行うこととされており、実施に協力する医療機関等はワクチンの接種に係る業務を実施することとされている。そのようにして行われるワクチンの接種に伴って排出される廃棄物(以下「ワクチン接種の廃棄物」という。)の取扱いについて留意いただきたい事項を下記のとおり整理した。貴職におかれても、下記事項について御了知の上で、貴管内市町村、廃棄物処理業者及び排出事業者に周知いただき、円滑な廃棄物処理の実施に遺漏なきようお願い申し上げる。なお、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的な助言であることを申し添える。記第一都道府県・政令市産業廃棄物行政主管部(局)の役割について都道府県・政令市産業廃棄物行政主管部(局)(以下「都道府県等産業廃棄物部局」という。)におかれては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「廃棄物処理法」という。)第4条第2項において、「都道府県は、(中略)当該都道府県の区域内における産業廃棄物の状況をはあくし、産業廃棄物の適正な処理が行なわれるように必要な措置を講ずることに努めなければならない。」とされていること及び「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に係る手引き(厚生労働省策定)」において、都道府県はワクチンの接種の実施に係る複数市町村にまたがる調整事項について必要に応じて助言を行い調整し、市町村におけるワクチンの円滑な接種について必要な協力を行うとされていることに鑑みて、ワクチン接種の廃棄物が適正かつ円滑に処理されるよう必要な措置を講じられたい。具体的には、次の事項に留意されたい。・管内の市町村においてワクチンの接種を担当する部局(以下「市町村ワクチン担当部局」という。)や産業廃棄物処理業者からの、廃棄物の該当性、廃棄物の取扱い方法、実施体制に応じた排出事業者の考え方等について相談に応じるとともに、必要な判断等を適切に行うこと。・管内の市町村においてワクチン接種の廃棄物の処理体制が構築されるよう、管内の市町村ワクチン担当部局からの産業廃棄物処理業者の確保等の相談に応じること。・特に、既存の医療機関以外にもワクチンの接種を実施する会場が分散されて設置されることが想定されることから、産業廃棄物処理業者の有する処理能力を効率的に運用するためにも、市町村をまたぐ収集・運搬のルート構築等が必要になることが考えられるため、必要に応じてその調整に係る助言や支援等を行うこと。・産業廃棄物処理業者の確保に当たっては、今後、各々の市町村のワクチンの供給量や供給時期、接種の実施体制等が明らかになるにしたがって、それらに応じた適切な処理能力が確保されることが必要であり、一部の市町村がワクチンの供給量や時期に見合わない過剰な処理能力を事前に確保していたり、局所的な過不足が起こっていたりすることが確認された場合には、必要な調整に係る助言や支援等を行うこと。・産業廃棄物処理業者の確保や調整等の対応に当たっては、都道府県の産業廃棄物処理に係る協会とも十分に連携を図ること。・万一、現行の許可を有する産業廃棄物処理業者だけでは処理能力の確保が困難である等の状況が起こる又は予見されることにより、緊急に生活環境の保全上の支障の除去又は発生の防止のための措置を講ずるために特に必要があると認められる場合は、産業廃棄物処理業の許可を要しない者に係る特例の活用も検討すること。・都道府県を越える広域的な処理の調整や以上に掲げる事項を行うに当たって支援等が必要な事項がある場合は、環境省に相談をすること。第二廃棄物の該当性について感染性廃棄物は、病院等の医療関係機関等において医療行為等により発生するもので、感染性病原体が含まれ、若しくは付着している廃棄物又はこれらのおそれがある廃棄物が該当するものである。ワクチンの接種は、既存の医療機関以外の会場においても実施されることが想定されている。既存の医療機関以外の会場について、新たに診療所として開設する場合には、そうした会場は医師等が医業等を行う場所として、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号。以下「廃棄物処理法施行令」という。)別表第1の4の項の中欄ロに掲げる診療所に該当するものと考えられる。また、既存の医療機関による居宅等への訪問診療や市町村が確保した会場における巡回健診等iとして実施する場合には、診療所の開設手続は要しない。しかしながら、注射針等の鋭利な廃棄物については、特に感染性の危険が高いと判断されるため、巡回健診等の場合には、その市町村が確保した会場を廃棄物処理法上の診療所に相当する場所とみなすこと等によって感染性廃棄物として処理することとし、居宅等への訪問診療の場合にも、医療機関等により回収され、医療機関等から排出されること等によって感染性廃棄物として処理することが望ましい。なお、ワクチンの接種においては、注射針、シリンジ(注射筒)、ワクチンのバイアル(容器)、ガーゼ、その他手袋等の防護具等が排出されると考えられる。その中で、注射針等の血液等が付着する廃棄物は感染性廃棄物に該当すると考えられるが、その他の廃棄物についても、血液等の付着のおそれがあることやワクチンの接種作業を効率的に進めようとする中で廃棄物を混同するおそれがあること等に鑑みて、現場の医師等の判断も踏まえつつ、全て感染性廃棄物として取り扱い、一括に廃棄物容器に梱包し処理委託することは妨げないものとする。都道府県等産業廃棄物部局におかれては、以上を参照しつつ、各々の接種の実施体制や会場における実運用等の個別の事情に応じて、人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることなく適正かつ円滑に処理されるよう指導されたい。第三ワクチン接種の廃棄物の処理に係る基準や留意事項についてワクチン接種の廃棄物は感染性廃棄物に該当することが考えられるため、その場合、廃棄物処理法施行令第6条の5に規定する特別管理産業廃棄物に係る処理基準及び廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和46年厚生省令第35号)第8条の13に規定する特別管理産業廃棄物保管基準を遵守し、「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」(平成30年3月。以下「感染性廃棄物処理マニュアル」という。)iiに基づいて対応する必要がある。そのうち、排出事業者においては、特に次の事項に留意の上で、廃棄物処理法に基づき適切に処理及び保管が行われるよう指導されたい。・感染性廃棄物は、密閉でき、収納しやすく、損傷しにくい廃棄物容器に梱包して排出すること。・特に、注射針等の鋭利なものについては、プラスチック製容器等の耐貫通性のある堅牢な廃棄物容器を用いること。・感染性廃棄物の保管場所は、周囲に囲いが設けられ、当該廃棄物の保管場所である旨等を表示した掲示板が掲げられ、当該廃棄物以外の物が混入するおそれのないよう仕切りを設けること等の必要な措置が講じられていること。・腐敗するおそれのある感染性廃棄物が混入している場合にあっては、容器に入れ密閉すること、冷蔵庫に入れること等腐敗の防止のために必要な措置が講じられていること。また、適正かつ円滑な処理を行うためには、各処理工程において産業廃棄物処理業者の処理能力を効率的に運用することが必要であり、特に廃棄物容器内の感染性廃棄物が少量の状態でむやみに密封され、排出される廃棄物容器の数を増加させることは処理のひっ迫を引き起こすおそれがあることから、排出事業者において次の事項に留意されるよう併せて周知されたい。・発生する感染性廃棄物が少量である場合は適当な大きさの容器を選択すること。・既存の医療機関において、ワクチンの接種の実施と並行して通常の診療等が行われる場合、ワクチン接種の廃棄物とその他の感染性廃棄物を梱包する廃棄物容器を区別することは、廃棄物容器内の感染性廃棄物が少量の状態で排出されることにつながるため、区別しないことが望ましいこと。・産業廃棄物処理業者と収集の頻度や量等についてよく相談すること。なお、廃棄物処理法第11条第2項の規定により、市町村は、一般廃棄物とあわせて処理することができる産業廃棄物その他市町村が処理することが必要であると認める産業廃棄物の処理をその事務として行うことができることを踏まえ、市町村においては、ごみ焼却施設等の保有状況やワクチン接種の廃棄物やその他感染性廃棄物の処理状況等を考慮し、特別管理産業廃棄物に係る処理基準や感染性廃棄物処理マニュアルに基づく対策を遵守できることを確認の上、当該施設において、緊急避難措置として必要な間、当該廃棄物を受け入れて処理することも考えられる。第四排出事業者の考え方についてワクチンの接種の実施体制を整備するに当たって、市町村と医療機関との間の契約は、市町村によって異なることで複雑化することを避けるため、全国統一様式の契約書により原則として集合契約の形で契約を行うこととされている。集合契約の場合においては、既存の医療機関が市町村からの委託を受けてワクチンの接種の実施を既存の医療事業の一環として行うものであることから、医療機関が排出事業者に該当すると考えられる。また、集合契約には参加せず、市町村ごとに独自の契約によって、ワクチンの接種の実施体制が多様になることも考えられる。そうした場合にあっても、ワクチンの接種は、既存の医療機関又は新規にその会場において診療所を開設する医療機関等により実施されるものであり、ワクチン接種の廃棄物もその医療機関等の医療事業に伴って排出される廃棄物であることから、基本的にはその医療機関等が排出事業者に該当するものと考えられる。具体的な実施体制における考え方として、例えば、市町村が会場を診療所として開設する場合は、市町村長が診療所の開設者となり、市町村が医療事業を実施する医療機関等としてワクチン接種の廃棄物の排出事業者に該当することが考えられる。また、例えば、市町村が手配した会場であっても、市町村から委託を受けた医療機関が新たに診療所を開設して実施する場合又は市町村から委託を受けた医療機関の巡回健診等として実施する場合は、基本的には当該委託を受けた医療機関が医療事業を実施する者として、ワクチン接種の廃棄物の排出事業者に該当することが考えられる。都道府県等産業廃棄物部局におかれては、以上の基本的な考え方や例を参照しつつ、実際の契約形態やそれに基づく実施体制等の個別の事情に応じて、いずれの者が排出事業者に該当するかについて適切に判断されたい。いずれの場合においても、ワクチン接種の廃棄物が適正に処理されるため市町村が主体的に関与するよう要請されたい。第五処理に係る費用負担等についてワクチンの接種の実施に係る費用負担については、国が必要な財政措置を講ずることとされている。通常の医療機関等でワクチンの接種を行う際に基本的に必要となる費用として、接種1回当たりの費用単価(以下「接種費用単価」という。)が設定され、接種の実績に応じて国から市町村に交付されることとなっており、通常のワクチンの接種において排出されるワクチン接種の廃棄物の処理費用も接種費用単価に含まれているところである。集合契約の形で契約を行った医療機関には、ワクチン接種の廃棄物の処理費用が含まれた接種費用単価に基づいて市町村から支払われることとされているため、その医療機関から産業廃棄物処理業者に処理費用が支払われることが想定される。集合契約以外の契約形態の場合においては、その個別の形態に応じて市町村又は市町村から委託を受けた医療機関から産業廃棄物処理業者に処理費用が支払われることとなる。いずれの場合にあっても、産業廃棄物処理業者が実施する廃棄物の処理や廃棄物容器の調達等に対して適切な費用が支払われることが必要であり、さらに、既存の医療機関においてワクチン接種の廃棄物とその他の感染性廃棄物を梱包する廃棄物容器を区別しないことが望ましいこと等の本通知第三に示した留意事項等に沿った対応が可能なように費用が明確に精算できる等、柔軟に対応できるものとなることが望ましい。以上i「医療機関外の場所で行う健康診断等の取扱いについて」(平成7年11月29日健政発第927号厚生省健康政策局長通知)に定める巡回健診等をいう。ワクチンの接種に関する巡回健診等の取扱いについては以下のURLを参照すること。https://www.mhlw.go.jp/content/000744488.pdfiihttp://www.env.go.jp/recycle/misc/kansen-manual1.pdf

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