浄化槽法

浄化槽法の一部を改正する法律等の施行について(通知)<令和2年3月5日>

1環循適発第20030518号令和2年3月5日各都道府県知事・各政令市市長殿環境省環境再生・資源循環局長浄化槽法の一部を改正する法律等の施行について(通知)浄化槽法の一部を改正する法律(令和元年法律第40号。以下「改正法」という。)は令和元年6月19日に公布されたところであり、また、これに伴い環境省関係浄化槽法施行規則の一部を改正する省令(令和2年環境省令第3号。以下「改正規則」という。)及び浄化槽工事の技術上の基準及び浄化槽の設置等の届出に関する省令の一部を改正する省令(令和2年国土交通省・環境省令第1号)が令和2年2月7日に公布され、令和2年4月1日より施行されることとなったところである。これらの改正の趣旨及び内容は下記のとおりであるので、これらの事項に留意の上、その運用に遺憾なきを期するとともに、貴管下市町村等に対しては、貴職より周知願いたい。なお、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的な助言であることを申し添える。記第一改正の趣旨単独処理浄化槽については、平成13年4月1日より原則として新規設置が禁止され、以後、設置基数は緩やかに減少しているものの、平成30年度末時点において浄化槽全設置基数約756万基の50%にあたる約381万基が残存している。これらの単独処理浄化槽は、設置してから40~50年経過するものも存在しており、老朽化による破損・漏水が懸念されていることから、単独処理浄化槽を合併処理浄化槽に転換することが喫緊の課題となっている。また、浄化槽が、本来の処理性能を発揮し、汚水の適正な処理を図るためには、浄化槽の設置及び維持管理が適正に行われている必要がある。このため、浄化槽管理者は、改正法による改正後の浄化槽法(以下「法」という。)第7条第1項に規定する設置後等の水質検査(以下「7条検査」という。)及び法第11条第1項に規定する水質検査(以下「11条検査」という。)を受検しなければならないこととされており、適正な維持管理を担保する上では、これらの法定検査を受検することが重要であるが、11条検査に関しては、平成30年度末時点において全国平均の受検率が43.1%(合併処理浄化槽に限れば61.4%、単独処理浄化槽については25.6%)と低い水準となっている。浄化槽の信頼性向上のため、浄化槽台帳の整備を通じて、11条検査受検率の水準を引き上げるとともに、維持管理の指導の強化が急務である。廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第5条の3第1項に規定する廃棄物処理施設整備計画(平成30年6月19日閣議決定)において、浄化槽の施設整備の目標として、浄化槽整備区域における浄化槽の普及と、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽の転換の推進が位置づけられた。同施設整備計画にも示された、浄化槽を含めた汚水処理施設の整備を10年程度で慨成するという政府の目標を達成するためには、市町村が積極的に生活排水対策に取り組み、汚水処理未普及解消の課題となっている単独処理浄化槽やくみ取便槽から合併処理浄化槽への転換を強力に進めていく必要がある。今般の改正は、このような状況を踏まえ、単独処理浄化槽の合併処理浄化槽への転換と浄化槽の管理の向上について法的措置を講ずるものである。第二特定既存単独処理浄化槽に対する措置既存単独処理浄化槽であって、そのまま放置すれば生活環境の保全及び公衆衛生上重大な支障が生ずるおそれのある状態にあると認められる特定既存単独処理浄化槽について、都道府県知事が除却その他生活環境の保全及び公衆衛生上必要な措置をとるよう助言又は指導、勧告及び命令を行うことができることとし、命令に違反した者は30万円以下の罰金に処することとしたこと(法附則第11条)。また、都道府県知事が特定既存単独処理浄化槽に対する措置を適切に実施できるよう、環境大臣が指針を定めることができることとしたこと(改正規則による改正後の環境省関係浄化槽法施行規則(以下「規則」という。)附則第2項)。同項に基づき、特定既存単独処理浄化槽に対する措置に関する指針(令和2年3月2日環循適発第2003027号環境大臣決定)を定めたので、参照の上、当該指針に基づき特定既存単独処理浄化槽に対する措置を適切に講じられたいこと。第三浄化槽処理促進区域の指定平成26年1月に、国土交通省、農林水産省、環境省で、「持続的な汚水処理システム構築に向けた都道府県構想策定マニュアル」を策定し、今後10年程度を目標に汚水処理未普及地域が解消するよう取り組んでいるところであり、浄化槽による汚水の適正な処理を特に推進する必要があると認められる区域を「浄化槽処理促進区域」として市町村が指定することができることとしたこと(法第12条の4)。市町村は、改正法の趣旨に鑑み、市町村の区域(下水道法(昭和33年法律第79号)に規定する処理区域及び予定処理区域を除く。)のうち、自然的経済的社会的諸条件からみて浄化槽による汚水の適正な処理を特に促進する必要がある区域を、積極的に浄化槽処理促進区域として指定すること。下水道法に規定する予定処理区域について、自然的経済的社会的諸条件から都道府県構想の見直しがあり、浄化槽による汚水処理が適切とされた場合には、下水道法の区域見直しの手続きを経た上で、浄化槽処理促進区域として指定すること。市町村は、浄化槽処理促進区域を指定しようとするときは、あらかじめ都道府県知事2に協議しなければならないこととされており(法第12条の4第2項)、改正法の施行前においても、同項の規定の例により都道府県知事に協議することができるものであること(改正法附則第3条)。第四公共浄化槽1公共浄化槽制度の創設浄化槽が本来の処理性能を発揮し、汚水の適正な処理を図るためには、浄化槽の設置及び維持管理が適正に行われている必要がある。市町村が管理主体となることで、維持管理が徹底され良好な放流水質を確保できることや住民負担の軽減にもつながるメリットがあること、また、市町村が面的な浄化槽の整備を進めることで、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換及びくみ取便槽から合併処理浄化槽への転換が進めやすくなる特徴を生かし、平成6年より浄化槽市町村整備推進事業を実施しているところであるが、法における位置づけがなく、排水設備の設置の義務や、他人の土地に排水設備を設置する場合の扱いなどの法的な整理がなされていなかった。このため、浄化槽処理促進区域内に存する浄化槽のうち、市町村が作成する設置計画に基づき設置された浄化槽であって市町村が管理するもの及び地方公共団体以外の者が所有する浄化槽について市町村が管理するものを公共浄化槽と定義し(法第2条第1の2号)、市町村が都道府県知事及び特定行政庁に協議して設置計画を作成する公共浄化槽制度を創設したこと(法第12条の5)。市町村が設置計画を作成しようとするときは、浄化槽が設置される土地の所有者及び当該浄化槽で汚水を処理させる建築物の所有者の同意を得なければならないこととされ(法第12条の5第3項)、同意をした建築物の所有者及びその相続人その他の一般承継人は、市町村から法第12条の7第1項の規定による設置の完了の通知を受けたとき又は同条第2項の規定による公告があったときは、汚水を公共浄化槽に流入させるために必要な排水設備の設置やくみ取便所の改造の義務を負うこととされたこと(法第12条の8第1項)。排水設備の改築又は修繕は排水設備の設置義務者が、清掃その他の維持は当該建築物の占有者が行う(同条第2項)。市町村は、同条第1項の規定に違反している者に対し、排水設備の設置又はくみ取便所の改造を命ずることができる(同条第3項)。市町村は、排水設備を設置し、又はくみ取便所を水洗便所に改造しようとする者に対して、必要な資金の融資又はそのあっせん、利害関係を有する者との間に紛争が生じた場合における和解の仲介その他の援助に努めるものとされており、国は、市町村が資金の融通を行う場合には、これに必要な資金の融資又はそのあっせんに努めるものであること(同条第4項及び第5項)。法第12条の8第1項の規定により排水設備を設置しなければならない者は、他人の土地又は排水設備を使用しなければ汚水を公共浄化槽に流入させることが困難であるときは、最も損害の少ない場所又は箇所及び方法を選び、利益を受ける割合に応じて設置等に要する費用を負担してこれを使用できること(法第12条の9)。また、市町村は、浄化槽処理促進区域内に存する浄化槽であって地方公共団体以外の者が所有するものについて、自ら管理することができることとされた(法第12条の6)。改正法附則第4条の規定により、単独処理浄化槽は法第12条の6の規定の適用におい3ては浄化槽とみなされないため、市町村が同条に基づき管理することができる浄化槽は、合併処理浄化槽に限られることに留意されたい。その他、設置計画の同意に係る建築物以外の建築物の汚水を公共浄化槽に流入させるために必要な排水設備を設置しようとする場合の市町村の承認、公共浄化槽の使用の開始の届出、市町村による排水設備その他の物件の検査、市町村が公共浄化槽に関する工事を施工する場合その他やむを得ない理由がある場合の使用制限、公共浄化槽の使用に係る料金の徴収、公共浄化槽に関する調査等のための他人の土地の立入り、排水設備の使用の廃止の制限について規定したこと(法第12条の10から第12条の16まで)。その他公共浄化槽の設置及び管理に関し必要な事項は市町村の条例で定めることとされた(法第12条の17)。2市町村による浄化槽整備市町村が公共浄化槽を設置する場合には、浄化槽は分散型汚水処理施設であることから各戸設置が基本である。自然的経済的社会的観点から、各戸設置型浄化槽で整備すべきエリアにおいては、各戸設置の浄化槽整備を行うこと。一方で、狭小家屋が密集する等の地域特性から複数戸の汚水をまとめて処理する方が望ましい地域においては共同浄化槽(複数戸の家屋の汚水を1基の浄化槽で処理するもの。)も組み合わせて柔軟に整備を進め、汚水処理未普及解消に努めること。浄化槽市町村整備推進事業によって設置された既存の浄化槽及び集落排水施設については、新たに公共浄化槽の設置計画を定める必要はなく、これらの浄化槽や集落排水施設を浄化槽処理促進区域に含めない限り、公共浄化槽に関する規定は適用されない。改正法施行後に、市町村が浄化槽処理促進区域を指定する際に、浄化槽市町村整備推進事業によって設置された既存の浄化槽や集落排水施設を浄化槽処理促進区域に含める場合には、みなし公共浄化槽として位置づけられ、法第12条の10から第12条の17までの規定が適用され(改正法附則第2条)、新たに公共浄化槽に汚水を流入させようとする場合の排水設備の設置の承認等の規定が適用される。集落排水事業を行う市町村は、既存の集落排水事業の区域を浄化槽処理促進区域として指定を行おうとするときは、集落排水担当部局と調整の上で行うこと。第五使用の休止の届出浄化槽管理者は、浄化槽の休止に当たって清掃をしたときは、その使用の休止について都道府県知事に届け出ることができることとし(法第11条の2第1項)、当該浄化槽については、使用が再開されるまでの間、保守点検、清掃及び11条検査の義務を免除することとしたこと(法第10条第1項ただし書及び第11条第1項ただし書)。虚偽の休止の届出をした者は5万円以下の過料に処せられる(法第68条第1号)。浄化槽管理者は、使用の休止の届出に係る浄化槽について使用を再開したとき又は当該浄化槽の使用が再開されていることを知ったときは、30日以内に都道府県知事に届け出なければならない(法第11条の2第2項)。使用の再開の届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、5万円以下の過料に処せられる(法第68条第2号)。第六浄化槽台帳4浄化槽の設置に関する情報や維持管理の実施状況について正確に把握を行うことで、単独処理浄化槽の合併処理浄化槽への転換の指導や11条検査の受検の指導等を通じた良好な放流水質の確保が可能となることから、都道府県知事は浄化槽台帳を作成するものとしたこと(法第49条第1項)。都道府県知事は浄化槽台帳の作成のため必要があると認めるときは、関係地方公共団体の長その他の者に対し情報提供を求めることができる(法第49条第2項)。都道府県は、7条検査及び11条検査のみならず保守点検、清掃の情報についても市町村や協議会等を通じて情報収集すること。都道府県は、整備した浄化槽台帳に基づき、11条検査の受検の指導や管理状態の悪い浄化槽に対する指導を市町村と連携して実施するとともに、特定既存単独処理浄化槽となり得る浄化槽の把握を行い、必要な措置を講じること。第七協議会都道府県及び市町村は、浄化槽管理者に対する支援、公共浄化槽の設置等、浄化槽台帳の作成その他の浄化槽による汚水の適正な処理の促進に関し必要な協議を行うための協議会を組織することができることとし(法第54条第1項)、協議会において協議が整った事項については、協議会の構成員はその協議の結果を尊重しなければならないこととしたこと(同条第2項)。その他協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、協議会が定める(同条第3項)。改正法施行前においても、行政と浄化槽関係団体とで任意の協議会が設置されており、浄化槽の適正な維持管理や合併処理浄化槽の普及促進等のため重要な役割を果たしてきたところである。改正法の趣旨を実現するためには関係者が一体となって取り組むことが重要であり、法律上協議会を位置づけることとした。都道府県及び市町村は、協議会を組織するに当たっては、当該協議会の組織が、地域の実情に応じたものとなるよう配慮するものとされており(規則第57条の3)、都道府県及び市町村は、関係地方公共団体、浄化槽管理者、指定検査機関、浄化槽工事業者、浄化槽清掃業者、保守点検業者その他の多様な意見が反映されるよう、管内の関係団体と協議して、地域の実情に応じた協議会の組織に努められたいこと。第八浄化槽管理士に対する研修の機会の確保浄化槽については、近年の社会的な要請から処理性能の向上、コンパクト化に伴う技術の高度化が進み、維持管理についても新たな知識や実務上の技術の習得が必要であることから、保守点検業者の登録に関する条例に定めるべき事項として、浄化槽管理士に対する研修の機会の確保に関する事項を追加したこと(法第48条第2項第3号)。研修の機会については、保守点検業者に従事する浄化槽管理士の資格を所有する全ての者に機会が確保されることが望ましいこと。第九環境大臣の責務環境大臣は、都道府県知事に対して、11条検査に関する事務その他浄化槽の保守点検及び浄化槽の清掃等の章に規定する事務の実施に関し必要な助言、情報の提供その他の5支援を行うように努めなければならないものとしたこと(法第12条の3)。11条検査の受検率向上のためには、浄化槽の設置状況や維持管理状況について正確に把握することが重要であることから、まずは浄化槽台帳の整備が円滑に進むよう、環境省において浄化槽台帳システムを作成する等の支援を行うことを予定している。

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