廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条の2の規定に基づく廃棄物の焼却禁止の例外とされる焼却行為に対する行政処分等の適用について(通知)
環循適発第2111305号
令和3年11月30日
各都道府県一般廃棄物行政主管部(局)長殿
環境省環境再生・資源循環局廃棄物適正処理推進課長
一般廃棄物処理行政の推進については、かねてより種々御尽力、御協力いただいているところ御礼申し上げる。
さて、令和3年の地方分権改革に関する提案募集において、「農林水産業を営む者が行う野外焼却に関する廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び同法施行令並びに関連通知の解釈の明確化」を求める提案(別添)がなされたことを踏まえ、廃棄物の焼却禁止の例外とされる農業等を営むためにやむを得ないものとして行われる廃棄物の焼却等に対する行政処分等の適用について、解釈の明確化を図ることとしたので通知する。
貴職におかれては、下記の事項に留意の上、その運用に遺漏なきを期するとともに、貴管内市町村等に対して周知願いたい。
なお、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的な助言であることを申し添える。
記
第一 焼却禁止の例外とされる廃棄物の焼却に対する行政処分等の適用について
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律の一部を改正する法律の施行について」(平成12年9月28日付け衛環78号厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長通知)において示しているとおり、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「法」という。)第16条の2に基づく廃棄物の焼却禁止に係る規定は、行政処分のみでは適切な取締りが困難であった悪質な無許可業者等による廃棄物の焼却について、これを廃棄物の不適正処理として罰則の対象とすることにより取締りの実効を上げるためのものであるところ、当該罰則規定をもって措置するには馴染まない廃棄物の焼却については、罰則対象の例外を設けている。
なお、法第16条の2の規定において焼却禁止の例外とされる廃棄物の焼却に該当するとしても、同条に係る罰則以外の罰則及び行政処分の適用を除外するものではないことから、処理基準に適合しない焼却について、措置命令等の行政処分及び行政指導を行うことは可能であり、かかる措置命令の対象は、現に処理基準に適合しない廃棄物の処分等を行った者であって、当該処理基準が適用される者であるか否かを問わない。
したがって、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号。以下「令」という。)第14条各号に規定する焼却禁止の例外とされる廃棄物の焼却についても、当該焼却行為により、健康被害も含む人の生活に密接な関係がある環境に何らかの支障が現実に生じ、又は社会通念上そのおそれがあると判断するに相当な状態が生ずる場合等においては、処理基準に適合しない焼却行為として、措置命令等の行政処分及び行政指導を行うことは可能であることに留意されたい。
第二 政令で定める焼却禁止の例外となる廃棄物の焼却の解釈について
法第16条の2第3号の規定による焼却禁止の例外となる廃棄物の焼却については、公益上若しくは社会の慣習上やむを得ない廃棄物の焼却又は周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却として、令第14条各号において具体的に明示している。
なお、同条各号が規定されていることを奇貨として、同条各号に該当する焼却行為であると称し、悪質な廃棄物の焼却が行われることを防止するべく、取締りの観点から限定的に解するため、同条第4号においては、「やむを得ない」と付言したものである。
したがって、個別の事案における罰則の適用において、当該例外規定における「やむを得ない」ものといえるか否かの解釈に当たっては、公益上若しくは社会の慣習上やむを得ない廃棄物の焼却又は周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却に該当するか否かという点を勘案し、法の目的に照らして合理的と認められるかにより判断されるべきものであり、生活環境の保全上著しい支障を生ずる焼却は、これに含まれるものではない。
参考
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)(抄)
(焼却禁止)
第十六条の二何人も、次に掲げる方法による場合を除き、廃棄物を焼却してはならない。
一 一般廃棄物処理基準、特別管理一般廃棄物処理基準、産業廃棄物処理基準又は特別管理産業廃棄物処理基準に従つて行う廃棄物の焼却
二 他の法令又はこれに基づく処分により行う廃棄物の焼却
三 公益上若しくは社会の慣習上やむを得ない廃棄物の焼却又は周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却として政令で定めるもの
(措置命令)
第十九条の四 一般廃棄物処理基準(特別管理一般廃棄物にあつては、特別管理一般廃棄物処理基準)に適合しない一般廃棄物の収集、運搬又は処分が行われた場合において、生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるときは、市町村長(前条第三号に掲げる場合にあつては、環境大臣。第十九条の七において同じ。)は、必要な限度において、当該収集、運搬又は処分を行つた者(第六条の二第一項の規定により当該収集、運搬又は処分を行つた市町村を除くものとし、同条第六項若しくは第七項又は第七条第十四項の規定に違反する委託により当該収集、運搬又は処分が行われたときは、当該委託をした者を含む。次条第一項及び第十九条の七において「処分者等」という。)に対し、期限を定めて、その支障の除去又は発生の防止のために必要な措置(以下「支障の除去等の措置」という。)を講ずべきことを命ずることができる。
2(略)
第二十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一~十四 (略)
十五 第十六条の二の規定に違反して、廃棄物を焼却した者
十六 (略)
2 前項第十二号、第十四号及び第十五号の罪の未遂は、罰する。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号)(抄)
(焼却禁止の例外となる廃棄物の焼却)
第十四条 法第十六条の二第三号の政令で定める廃棄物の焼却は、次のとおりとする。
一 国又は地方公共団体がその施設の管理を行うために必要な廃棄物の焼却
二 震災、風水害、火災、凍霜害その他の災害の予防、応急対策又は復旧のために必要な廃棄物の焼却
三 風俗慣習上又は宗教上の行事を行うために必要な廃棄物の焼却
四 農業、林業又は漁業を営むためにやむを得ないものとして行われる廃棄物の焼却
五 たき火その他日常生活を営む上で通常行われる廃棄物の焼却であつて軽微なもの
令和3年地方分権改革に関する提案募集提案事項環境省第2次回答管理番号184提案区分B地方に対する規制緩和提案分野06_環境・衛生提案事項(事項名)農林水産業を営む者が行う野外焼却に関する廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び同法施行令並びに関連通知の解釈の明確化提案団体広島市制度の所管・関係府省環境省求める措置の具体的内容農業に伴う野外焼却が、廃棄物の処理及び清掃に関する法律では焼却禁止の例外とされている一方で、厚生省からの通知においては「処理基準を順守しない焼却として行政指導等を行うことは可能」としていることについて、「農業を営むためにやむを得ないものとして行われる廃棄物の焼却を、指導の対象とするか否かについて、例えば、地域において軽微な焼却に係るルール作りが行われていることをもって、各地方公共団体が判断することができる」旨の見解を、通知等で明確にするよう求める。具体的な支障事例廃棄物の処理及び清掃に関する法律では、廃棄物の焼却を禁止し罰則規定が設けられる一方で、「農業を営むためにやむを得ないものとして行われる廃棄物の焼却」等は例外とされている。また、この例外について、平成12年9月28日付厚生省環境整備課長通知においては、「焼却禁止の規定は、悪質な廃棄物の焼却を罰則の対象とすることにより取締りの実効を上げるためのものであり、罰則の対象として馴染まないものについて例外を設けているが、これらについても、処理基準を遵守しない焼却として行政指導等を行うことは可能」とされている。当市としては、例えば、都市部と農村部では当然違いがあり、一律の基準の下で指導を行うことは現実的ではなく、地域コミュニティの中での合意が得られるのであれば、その地域の実情に応じて、指導の対象としないことができるなど、柔軟な対応が必要なものと考えており、農業従事者による野外焼却に係る近隣住民等からの苦情(年間100件程度)に対しても、その都度、状況確認を行い、必要に応じて生活環境への配慮を行っていただくよう、指導を行っている。しかしながら、上記のように法律と通知で相反することが規定されていることにより、指導の現場では、農業に伴う野外焼却が認められていないと主張する者と、認められていると主張する者が対立する構造になっており、対応に苦慮するなど支障となっている。制度改正による効果(提案の実現による住民の利便性の向上・行政の効率化等)廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の解釈が明確になることで、地方公共団体は、地域住民による自治を尊重しつつ、必要に応じて指導を行うことができるようになるなど、きめ細やかな対応が可能となる。根拠法令等廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条の2、同法施行令第14条、平成12年9月28日付厚生省環境整備課長通知第12追加共同提案団体及び当該団体等から示された支障事例(主なもの)千葉市、川崎市、魚沼市、豊橋市、小牧市、田原市、京都市、寝屋川市、防府市、宇和島市、熊本市○当市でも、農業に伴う焼却行為がたびたび行われ近隣住民からの苦情が発生する。その都度現場確認を行うが、「農業を営むためにやむを得ないものとして行われる廃棄物の焼却」は禁止、罰則の例外とされているため、行政指導を行うのみで行為自体の抑制効果は少ない。「やむを得ない」ものであるとの判断基準もあいまいで、消防や警察も出動するような一見悪質と思われるケースでも、行為者の主張により行政指導に止まることもある。地方公共団体による個別判断では、行政間での対応にばらつきが生じる恐れもあるため、法解釈が明確化されるよう求める。○当市においても、法令に基づき対応しているが、例外であったとしても、生活環境上支障がある場合は、指導を行っている。生活環境に与える影響が軽微であることが例外規定にあたることを考えると、農業に伴う野外焼却が認められているという認識ではなく、影響が軽微であれば野外焼却行為を行ってもやむを得ないとの認識のもと行為者に対し、当該焼却行為が支障がある旨の説明を行っている。令和2年度に当課で受けた野焼きに関する通報は、44件であった。○農村部における農業に伴う野外焼却は半ば慣習となっており、都市部等から移転・転入してきた住民と従来から農村部に居住している農業従事者との主たる苦情の要因となっている。現に管内でも同一の行為者及び通報者への対応を繰り返す事例もあり、現場対応等に係る負担が増加している。また、現場での一時的な指導は、根本的な問題の解決に至らないため、「農業を営むためにやむを得ないものとして行われる廃棄物の焼却」等の例外の判断について、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の解釈を明確にした運用が必要と考える。○農業を営むためにやむを得ないものとして行われる廃棄物の焼却として、農業者が行う稲わら等の焼却と明記されているのみであり、現場対応に苦慮する場合がある。例外規定の更なる具体例や判断基準を明確にすることで、統一的に必要な指導を行うことができる。○当市においても、北部地域で農業を営んでいる方がおり、年に数件野焼きによる苦情を寄せられる。現地において、当事者に説明等を行い、野焼きに関する規定等を説明するが、提案都市からの事例と同様に、法律と通知に相反することが規定されているため、効果的な指導にはつながっていない。そのため、野焼きに関する明確な規定を設けていただきたい。○消防庁と農林水産省とも連携して行う必要がある。当市では、農業行為に伴う野焼を行う場合、最近、事前に消防署に「揚煙届」を提出して、火災と区別して、不必要な現場確認を行なわくてすむような方法をとっている例がある。しかし、この場合も、行為者は、別に地域コミュニティーの合意を取ることが必要で、合意がとられておらず、通報、苦情に発展している場合が散見される。農業行為に伴う野焼きに限らず、些細な落ち葉焼き、バーベキューの煙なども、近隣住民への説明、合意がないことが原因で苦情に発展している。苦情(通報)の段階では、農業行為といえど、何を燃やしているのかわからないため現場を確認する必要があり、また、苦情ではないものの煙を見た市民が善意で通報、連絡するケースもあり現場確認のための出動件数が多くなっている。○当市においても年間約80件の野焼き対応をしているが、そのほとんどが農業活動に伴う野焼きであり、いわゆる例外規定になっている。現在は、周辺環境への影響を鑑みて、通報に基づき口頭注意を行っているところだが、法的拘束力がなく交渉が難航する場合があるため、判断基準をより明確化する必要はあると考える。各府省からの第1次回答廃棄物処理法第16条の2第3号の規定により同法施行令第14条各号で定める廃棄物の焼却は、「公益上若しくは社会の慣習上やむを得ない廃棄物の焼却」又は「周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却」について、具体的に明示したものである。したがって、個別事案が当該例外規定に該当するか否かの判断における、「やむを得ないものといえるかどうか」については、上記の「公益上若しくは社会の慣習上やむを得ないといえるかどうか」及び「周辺地域の生活環境に与える影響が軽微といえるかどうか」を勘案して判断されるべきものである。仮に農業、林業又は漁業を営むために行われる廃棄物の焼却であるとしても、それがやむを得ないものとは言えない場合は当該例外規定に当たらないことから、平成12年9月28日付厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長通知記の第12の7においては「生活環境の保全上著しい支障を生ずる廃ビニールの焼却はこれに含まれるものではないこと」等を例示して通知しているところである。また、同法第16条の2は、あくまでも焼却禁止の罰則規定の対象から除外する規定であり、必ずしも同法第19条の4の規定による措置命令等の対象から除外するものではない。したがって、個別事案における苦情対応等に当たっては、必要に応じて、措置命令その他行政指導等(指導・助言)を行うことは可能であると考えられる。このことから、同通知記の第12の1においては「焼却禁止の例外とされる廃棄物の焼却についても、処理基準を遵守しない焼却として改善命令、措置命令等の行政処分及び行政指導を行うことは可能である」旨を通知しているところである。これらを踏まえ、法令に反しない限りにおいて、ご要望にあるような都市部と農村部の違い、コミュニティでの合意形成(ルール作り)といった観点から判断基準を明確化する等、それぞれの地域の実情に応じて、各地方公共団体で適切にご判断いただきたい。各府省からの第1次回答を踏まえた提案団体からの見解野外焼却が問題となっている地域では、廃棄物処理法第16条の2の焼却禁止やその例外規定に加え、行政指導等の根拠となる同法第19条の4の規定を理解してもらう必要がある。この点について、同法第19条の4の措置命令の規定は、「一般廃棄物処理基準(特別管理一般廃棄物にあつては、特別管理一般廃棄物処理基準)に適合しない一般廃棄物の収集、運搬又は処分が行われた場合」を対象としている。他方、同法第16条の2は、第1号において、「一般廃棄物処理基準、特別管理一般廃棄物処理基準(略)に従つて行う廃棄物の焼却」と規定する一方で、第3号において、「公益上若しくは社会の慣習上やむを得ない廃棄物の焼却又は周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却として政令で定めるもの」と規定しているため、第3号に基づく廃棄物の焼却に対し、同法第19条の4の措置命令の対象となるか否かが不明確となっていると考える。また、これらの法令の関係性を理解したうえで、地域での合意形成(ルールづくり)による、判断基準の明確化など、地域の実情に応じた対応が行えるようにすることが望ましい。このため、これまでの通知では明確に示されていなかった行政指導等の根拠規定や地域の実情に応じた対応の考え方(第1次回答の内容)を、各地方公共団体や市民にとってわかりやすい表現で、改めて通知をいただきたい。各府省からの第1次回答を踏まえた追加共同提案団体からの見解地方六団体からの意見【全国知事会】提案団体の提案の実現に向けて、積極的な検討を求める。各府省からの第2次回答廃棄物処理法第16条の2第3号の規定に基づく廃棄物の焼却については、必要に応じて、同法第19条の4に規定する措置命令その他行政指導等を行うことが可能であること等、両条項の関係性を明確化する等の通知等の発出を行う予定である。

